注文住宅LDKの間取りの種類や特徴
LDKは家族全員が使う家の中心となる場所です。それだけに「自分に合ったLDK」がどういう空間なのかを事前にじっくり考えておくことは、家づくりを成功させるために大切なポイントとなってきます。ここではLDKの「間取りの種類」や「特徴」をタイプ別にご紹介します。「ぴったりのプラン」を見つけていきましょう。
目次
2.配置パターンの種類と特徴
. 2-1.全体が見通し良く一体感のある「縦長(I字)タイプ」
. 2-2.距離感を保ちつつ過ごしやすい「L字タイプ」
3.おすすめの+αプラン
. 3-1.リビングと和室をくっつける
. 3-2.天井に変化をつける
住宅プランでよく見られる「LDK」という記載。
そもそもLDKは、
L(リビング) :居間、くつろぎスペース
D(ダイニング):食事をとる場所
K(キッチン) :料理をする場所
の略称で、3つの用途が一つにまとまっている空間をLDKと呼んでいます。
一方「L+DK」という間取りは、「リビング」と「ダイニングキッチン」が区切られた別の部屋になっていることを意味しています。
ひとことにLDKといっても、配置によって部屋の印象や使いやすい用途が変わってきます。
まず配置パターンの種類からみていきましょう。
縦長タイプはLDKが縦に並んだ、どこにいても全体が見渡しやすい間取りプランです。
一部屋としての広がり・一体感を感じやすく、パッと見ただけで室内の様子が把握できます。このため、お子さんが幼い時期の「目が離せない、でもご飯作らなきゃ!」という状態でも、キッチンからリビングの様子を確認できる便利さがあります。
また、ダイニングとリビングの境界が曖昧なことから「いつもはリビングとして使う。でもホームパーティーをするときは、リビングもダイニングの一部として一体的に使い、広々と食事を楽しみたい。」のような使い方も可能。ある程度家具レイアウトの自由度が高いです。
その反面、きっちり空間を分けて「ここは食事スペース。ここはくつろぐスペース。」と明確に使い分けたい方には、少し工夫が必要な間取りかもしれません。
リビングのソファをダイニングと並行に並べた配置
ダイニングからリビングのソファに座るまでの動線が短く、両者間をスムーズに使えます。LDKとしての一体感が感じやすい配置です。
キッチンに背を向けるようにソファを配置
キッチン・ダイニングに背をむけることで「料理と食事のスペース」「くつろぎスペース」をやんわり区切ることができます。一つの空間でありながら、別用途のスペースとして空間を意識できる配置です。
L字タイプは「キッチン・ダイニング・リビング」が英字の「L」のように配置されている間取りです。レイアウトによっては、キッチンとリビングの距離を縦長タイプに比べて短いプランとすることができます。
縦長タイプほど見通しが良くないため、かえって「なんとなくお互いがわかるけど干渉しない距離感」を作りやすい配置です。「リビングで小学生の子供が友達と一緒に騒ぎ遊んでいる中、あまり気にせずご飯の用意を始めたい。」「退職後、夫婦が家でもそれぞれ時間を楽しみたい。でも気配だけは感じておきたい。」というケースにピッタリです。
次にL型タイプにおけるダイニングとキッチンの配置パターンを見ていきましょう。
キッチンとダイニングが横並びのプラン
キッチンの真横にダイニングがあるため、料理中に作業台としてダイニングテーブルを活用することができます。「キッチン背面が家電と食器棚で埋まって、カウンタースペースが残らなかった。」という場合は特に、追加の作業スペースが欲しいもの。ダイニングを活用することで、調理のしやすさがぐっとUPします。ちょっと座りながら作業したいときにも便利です。
また料理を持ち運ぶ動線が短く、一人でもスムーズに食卓へ料理を出すことができます。食事中に「スプーンとって!」「ご飯おかわり!」など言われた際も、キッチン側に座っている人がスッと取りに行くことができるため「ご飯中ずっと立っていて、いつになっても座って食べられない!」というジレンマを軽くしてくれるかもしれません。
キッチンとダイニングが縦並び(対面)のプラン
キッチンとダイニングを対面配置にした場合、横並びのプランよりリビングまでの動線を短くできることが多いです。「キッチンからリビングの子供のところに一目散へ駆け付けたい。」「流れるような動きで冷蔵庫から冷えたビールをスッと取りだしリビングのソファへ座りたい。」などという場合はおすすめです。
ただし、ダイニングテーブルを料理中の作業台にするには使いづらいので、ワークトップが広いタイプのシステムキッチンを選ぶか、カウンターのあるキッチンにしておくと作業性が良いでしょう。
またダイニングに料理を運ぶときは、受け取ってくれる人がいないと自分がテーブルまで回り込まないといけません。(横並びタイプと「ほんの数歩の差」といえばそれまでですが・・・。)ご家族が協力的である方は問題ないですが、そうでない場合はこの機会に「お手伝いの習慣」をつけるのも良いかもしれません。
ここからは基本配置+αのおすすめプランをいくつかご紹介します。
ご自分に取り入れたいものはないか、一緒に見ていきましょう。
「来客のために和室を用意しておきたい。でも普段使えないのはもったいない!」という方は、ぜひ「リビングに面して間仕切りのある和室」を設けてみてください。来客があるときは間仕切りを閉めて個室として利用。普段は間仕切りを開放してリビングと一体化させることで、くつろぎスペースを広げることができます。
ここではリビングに面する和室(畳コーナー)のプランを2パターンご紹介します。
床とフラットな畳コーナー
フローリングと同じ高さの畳コーナーであれば、一体の床として、よりリビングと和室が「一部屋」に近い状態で使用できます。「広いリビングで子供を走り回らせたい!」という方におすすめのプランです。
・小上がりの畳コーナー
床と段差をつけて小上がりにすると、ちょっとした腰かけスペースに。床下は収納スペースとして活用すればLDKの収納量が増えて便利です。普段頻繁に使わないものや、座布団など大きな家財道具の収納に適しています。
LDKは家のなかでも広い空間です。特に縦型LDKなどの見た目が「ストンとした箱型」である場合は天井に変化を持たせると、面白みのある空間とすることができます。ここでは天井で遊ぶ方法をご紹介します。
スペースごとに天井高さを変化させる
例えば「くつろぐスペース」と「料理・食事のスペース」で空間をやんわり分けたいときは、二つのスペースの天井高を変えてあげることで柔らかくゾーニングすることができます。
天井の段差部分に間接照明を仕込むことで、くつろぎ感を高めることも可能です。
吹き抜けを設ける
リビングなど開放的にしたいエリアは、吹き抜けを設けることで空間の広がりがUPします。また上部に窓を設けることで、たっぷりとした採光を確保することができます。
ただ、採光があるということは日射熱も同時に入ってくるということ。大きい開口部を設ける際は、方位に注意する必要があります。もし方位が芳しくない場合はサッシ性能を上げて、熱によるマイナスポイントを低減してあげましょう。
番外編
天井からハンモックやブランコを垂らして遊ぶのも一興です。
この場合は事前に設置スペースが取れるか確認する必要があるため、気になる方は初期プランの段階からお話されると良いでしょう。
今回はLDKのさまざまな間取りパターンをご紹介しました。同じ機能の空間でも、配置によって使い勝手が変化したり、その人にとっての「居心地の良さ」が変わってきたりします。このため「どれが正解か」ではなく、ご自身が「どのように暮らしたいか」「どういうライフスタイルなのか」を考えながら家づくりを進めることが大切になってきます。ハンズワタベではご自身の「ぴったり」に行き着くお手伝いをさせていただきます。
OGスタッフOG staff
日常の「めんどくさい」を撃退すべく、心と身体が快適に生活できる方法を日々研究中の一級建築士(ハンズワタベOG)。お片付けマニアで「家を整えること」「楽できる方法」を考えるのが大好き。小児喘息の経験から片付けやすく掃除しやすい部屋作りを得意としている。
〈資格〉一級建築士、インテリアコーディネーター、整理収納アドバイザー2級、住宅収納スペシャリスト、ライティングコーディネーター、色彩コーディネーター2級、福祉住環境コーディネーター3級
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